スプレッドシートでGAS(Google Apps Script)を動かしたり、複雑な計算式を組んだりしていると、「どの列に何のタイトル(見出し)が入っているか」が途中で分からなくなることがある。
「A列に仕入金額が入っていて、B列に販売額が入っている」といった具体的な配置を把握し、整理しておくことは、システム構築において必須の作業だ。 なぜなら、これらを差し引いて「粗利益」を算出したい場合、どの列にどの数値が入力されているかを具体的に指定した方が、AIも正確な計算式やスクリプトを提案しやすくなるからだ。
プロのエンジニアであれば、プログラム側で「見出しの名前」を自動取得する仕組み(連想配列など)を最初に組んでしまうのだが、我々のような非エンジニアにはハードルが高い場合もある。また、単純に「どの列にどんな情報が格納されているのか」を視覚的に整理しておきたいケースも多いはずだ。
そこで私の場合、「どの列に何が掲載されているのか」を分かりやすく抽出・列挙する作業自体を、AIへのプロンプトで自動化している。
具体的にどう抽出させるのか、実際の動きをGIF画像でお見せすると以下の通りだ。

上記のようにプロンプトを入力すれば、指定したページ内のタイトル一覧をAIが一瞬で抽出してくれる。これによって、どこに何が書かれているのかを具体的に整理できる構図だ。
抽出したリストはどこに配置するべきか?
では、AIが抽出・整理してくれたこのリストを、具体的にどこにどう配置しておけばいいのか。 それは、以下の画像をご覧いただきたい。

上記画像のように、出力された文字列をコピーし、スプレッドシートの下部に「項目」という新しいシートを1枚追加して貼り付けておく。つまり、管理用のインデックス(目次)を作ってしまうわけだ。
このように配置しておくことで、実際に集計を行いたいシートを作成する際、「元のデータベースのどこから数値を引っ張ってくればいいのか」が一目瞭然になる。
例えば、
- 「データベース」シートのA3に『仕入金額』、B3に『販売額』がある。
- 「集計」シートのA2に『仕入金額』、B2に『販売額』を表示させたい。
- 「集計」シートのC2に『販売額 – 仕入金額 = 粗利益』の計算式を入力したい。
このような処理をGeminiなどのAIに依頼する際、インデックス(目次)が手元にあれば、セルの番地を間違えることなく、極めて具体的かつ正確な指示(プロンプト)を出すことができる可能性が広がる。
セルの配置と格納されている情報を具体的に整理しておくことは、AIに精度の高いコードを書かせるためだけでなく、依頼する本人自身が「自分が何をしたいのか」を明確にするための思考の整理ツールとして非常に役立つ。だからこそ私は、泥臭い手作業を省き、AIに配列を整理させる工程を必ず挟むようにしている。
では、実際にどのようなプロンプトを使っているのか。基本となる型を公開しよう。
今回の動画で使った基本プロンプト
以下のプロンプトの「開始せる:【 】内」を自分のシートに合わせて書き換え、GeminiなどのAIに投げ込むだけでいい。
現在開いているシートについて、指定した開始セルから右方向に入力されている項目名(ヘッダー)を抽出してください。
・開始セル:【A2】
・抽出方向:開始セルから右方向(同じ行)
・終了条件:空欄のセルに到達するまで
抽出したデータは、以下の形式で箇条書きにして列挙してください。
【出力形式】
[セル番地]:[入力されている項目名]
【出力例】
A2:個数
B2:タイプ
C2:価格
実務に合わせた「応用と改変」の重要性
頻繁にこの抽出作業を行うのであれば、スプレッドシートの関数を駆使して「自動的に別シートへ書き出させる」ような仕組みへと応用していくことも可能だ。
ただ、ここで一つ重要なことを伝えておきたい。プロンプトというものは、1回作っただけのものはあまり信用度が高くない。 1度制作し、実行したものを、自分なりに小まめに改善・改変していく作業が絶対に必要になる。
実際に今回提示した基本プロンプトも、非常にシンプルな要件しか与えていないため、使う環境やAIの機嫌によっては上手く動かない場合が存在する。
例えば、今回のプロンプトで出力させた場合、結果が以下のように返ってくることがある。
A2:個数
B2:ブランド名
C2:タイプ1
このように「無駄な改行」が入った状態で出力されてしまうと、スプレッドシートにコピペした際に空白の行ができてしまい、非常に扱いづらい。
もしこれを改善するならば、プロンプトの指示の中に「出力の際は改行を挟まず、行詰めで出力してください」という一文を足せばいい。そうすれば、1行ずつ綺麗にペーストできるリストに仕上がるはずだ。
システム構築における正解や扱い方は、人それぞれ違う。AIの力を借りつつ、練習がてらプロンプトを自分好みに改変し、「自分なりの泥臭いハックのコツ」を掴んでいってほしい。
